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交通事故の加害者の刑事責任

  • 文責:弁護士 大澤耕平
  • 最終更新日:2026年6月2日

1 交通事故の加害者の責任

自動車やバイクを運転して交通事故を起こした場合、加害者は、民事上、行政上及び刑事上の3つの責任を負うことになります。

民事上の責任は、被害者に対する損害賠償の責任を負うことです。

行政上の責任は、運転免許の取消しや停止の処分を受けることです。

そして、刑事上の責任は、自分が起こした事故の内容やその結果等に応じた刑罰を受けることとなります。

2 交通事故に関連する刑罰

自動車やバイクを運転して、人を死傷させる交通事故を起こした場合、過失運転致死傷罪として処罰されます。

過失運転致死傷罪の法定刑は、7年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金とされていますが、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができるとされています。

一方、無免許運転をしていて人を死傷させる事故を起こした場合には、10年以上の拘禁刑に処せられるものとされ、より重く処罰されることとなります。

また、自動車もしくは原動機付自転車を運転中、①アルコールまたは薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態、あるいは②自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気の影響により、正常な運転が困難な状態に陥って交通事故を起こした場合に、人を負傷させると12年以下の拘禁刑、人を死亡させると15年以下の拘禁刑にそれぞれ処せられるものとされ、この場合もより重く処罰されています。

さらに、以下のような一定の危険な運転をした場合に、人を負傷させると15年以下の拘禁刑、人を死亡させると1年以上20年以下の拘禁刑にそれぞれ処せられるものとされ、この場合もより重く処罰されています。

①アルコールまたは薬物の影響により、正常な運転が困難な状態で運転した場合

②進行を制御することが困難な高速度で運転した場合

③運転技能が未熟なのに運転した場合

④あおり運転をした場合 など

交通事故を起こした場合には、事故の状況や結果の重大性などに応じて、警察による捜査や検察官による処分の判断が行われます。

すべての事案で正式な裁判になるわけではなく、事案の内容によっては不起訴処分となる場合もあります。

もっとも、事故の態様や被害結果によっては厳しい処分が検討されることもあるため、捜査機関から連絡を受けた場合には適切に対応することが重要です。

3 自転車を運転して交通事故を起こした場合の刑罰

もし、自転車を運転して、人を死傷させる交通事故を起こした場合でも、刑罰を受ける可能性があります。

この場合、過失致傷罪または重過失致死傷罪に問われる可能性があります。

過失致傷罪は30万円以下の罰金、過失致死罪は50万円以下の罰金にそれぞれ処せられるものとされています。

また、重過失致死傷罪は5年以下の拘禁刑、又は100万円以下の罰金に処せられるものとされています。

自転車の運転による交通事故は増加する傾向にあるといわれています。

自転車による事故であっても、信号無視や著しい速度超過、スマートフォンを操作しながらの運転など、危険性の高い運転態様が問題となることがあります。

事故の状況によっては、通常の過失よりも重い責任が問われる可能性もあり、自転車だから刑事責任が軽いとは限りません。

近年は自転車利用者の交通ルール遵守がより強く求められており、十分な注意が必要です。

ただ、自動車やバイクを運転するときはもちろん、自転車を運転するときであっても、交通ルールに気を付けて、安全な運転を心がけたいところですが、不幸にも様々な偶然や事情が重なり、事故を起こしてしまうこともあるかと思います。

処分に対して不服があるとき、事実関係に争いがあるときなどは、刑事事件に詳しい弁護士へご相談いただくことをおすすめします。

4 交通事故の被害者と示談

交通事故の加害者となってしまった場合、被害者との示談が問題となることがあります。

示談は、加害者側と被害者側が話し合いによって解決条件を定め、紛争を解決する手続きのことをいいます。

交通事故の刑事事件においては、被害者との示談が成立しているかどうかが考慮される場合があります。

特に、被害者の処罰感情がどの程度であるかは、処分の判断にあたって一定の事情として検討されることがあります。

もっとも、示談が成立すれば必ず軽い処分になるわけではなく、事故の態様や結果の重大性なども含めて総合的に判断されます。

また、示談交渉を進めるにあたっては、被害者への連絡方法や示談条件の内容などについても慎重な対応が求められます。

そのため、交通事故の加害者となり、今後の対応に不安がある場合には、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。

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