「逮捕・勾留」に関するお役立ち情報
勾留が延長される理由と阻止するための弁護活動
1 勾留の延長とは
勾留とは、逮捕に引き続いて行われる可能性がある身柄拘束のことをいい、刑事訴訟法で規定されています。
刑事訴訟法第208条1項には、勾留の請求をした日から10日以内に公訴を提起しないときには、検察官は、直ちに被疑者を釈放しなければならないと規定されています。
もっとも、刑事訴訟法第208条2項に、裁判官は、やむを得ない事由があると認めるときは、検察官の請求により、勾留の期間を延長することができる、延長の期間は最大で10日間であることが規定されているため、「やむを得ない事由」の有無によって、勾留期間が大幅に変わることがあります。
2 やむを得ない事由とは
日本の司法権のトップである最高裁判所は、ここでいうやむを得ない事由について、「事件の複雑困難、あるいは証拠収集の遅延ないし困難等により勾留期間を延長してさらに取調べをするのでなければ、起訴・不起訴の決定をすることが困難な場合」としています。
そのため、上記に該当するような事由がある場合には、勾留延長がなされる可能性が高いといえるでしょう。
たとえば、組織的な詐欺犯罪や強盗事件、組織的ではなくとも共犯者がいる事件、被疑者が黙秘や否認しているようなケースなどでは、やむを得ない事由があるとして、勾留が延長される場合が多いといえます。
また、実務上、余罪があることが疑われるような場合にも、勾留延長がなされることがあります。
3 勾留延長を阻止するための弁護活動
勾留延長を阻止するための弁護活動としては、たとえば、被害者がいる事件類型であれば、早期に被害者との示談を成立させること、また、検察官や裁判官に対して勾留延長をする必要がないことの意見書を提出することなどが考えられます。
勾留延長がなされると逮捕から引き続き最大で23日間ものあいだ身柄拘束がなされる可能性があり、社会生活に著しい支障をきたすおそれがありますので、大阪にお住まいで、万が一、逮捕・勾留されてしまった場合には、可能な限り早い段階で、弁護士へのご相談をしていただくとよいと思います。