「逮捕・勾留」に関するお役立ち情報
現行犯逮捕の要件と対応方法
1 現行犯逮捕の要件
現に罪を行っている者又は行い終わった者を現行犯人と呼びます。
そして、現行犯人の身柄を拘束することを、現行犯逮捕と呼びます。
被疑者を逮捕する際は、裁判官が発行した逮捕状を要することが憲法上の原則ですが、現行犯逮捕の場合、逮捕状は必要ありません。
また、逮捕状による逮捕は、検察官や警察官が行いますが、現行犯逮捕は、誰であってもできます。
なお、現行犯人については、現に罪を行っている者及び行い終わった者でなくても、犯人として追いかけられている、名前を聞かれて逃げようとするなどの一定の場合で、罪を行い終わってから間もないと明らかに認められるときは、現行犯人とみなされることが刑事訴訟法で規定されています。
2 現行犯逮捕に対する抵抗
現行犯逮捕される場合、警察官が取り押さえてくるのに対して抵抗することもあるかと思います。
もっとも、現行犯逮捕を免れようとして暴力をふるうと、新たに犯罪が成立する可能性があります。
例えば、警察官が現行犯逮捕するために取り押さえてくるのに対し、その身体を殴ったり蹴ったりすると、公務執行妨害罪が成立する可能性がありますし、それによって警察官にけがを負わせると、さらに傷害罪も成立する可能性があります。
また、コンビニエンスストアで商品を万引きして店から出たところ、万引きを目撃した店員が現行犯逮捕しようとしてとり押さえたのに対して、逮捕を免れるために店員の手を振りほどいたり店員を殴ったり蹴ったりすると、事後強盗罪という重い犯罪が成立する可能性があります。
それによって店員にけがを負わせると、強盗傷害罪という、さらに重い犯罪が成立する可能性があります。
現行犯逮捕の要件を満たす場合に抵抗することは、得策ではないように思われます。
3 現行犯逮捕されたら弁護士に相談を
現行犯逮捕をされた場合に、弁護士に依頼すれば、逮捕された身柄が解放されるように、また、今後も身柄拘束が続くことがないようにするために弁護士が警察官や検察官、裁判官に働きかけます。
そのような弁護士へのアクセスは、逮捕された本人が警察官を通じて弁護士に連絡を取るほか、その家族や知人が弁護士に連絡を取る方法があります。
また、弁護士会による当番弁護士制度によって弁護士が派遣されることもあります。
現行犯逮捕された場合、まずは弁護士と連絡を取って面会し、今後、どうすればよいのかを、弁護士とよく相談することをお勧めします。
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