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「示談」に関するお役立ち情報

刑事事件における示談と刑事和解との違い

  • 文責:所長 弁護士 大澤耕平
  • 最終更新日:2023年12月28日

1 刑事和解について

被害者やその遺族が、刑事裁判の手続によらず、被告人側と話し合って被害弁償や慰謝料の支払い等について示談をすることがあります。

ただ、その場合、後日になって、被告人側が示談の取り決めたとおりに支払いをしなかったとき、すぐに強制執行をすることができません。

改めて民事裁判を提起し、確定判決や和解など、判決と同等の効力のあるものを取得しなければ強制執行をすることができないことになり、時間も手間も要することになります。

そのような被害者側の時間や手間を省略することができる制度として、刑事和解の制度が設けられています。

刑事和解は、被害者側と被告人側とが刑事裁判の手続によらずに話し合い示談が成立した場合に、刑事事件を審理している裁判所に対し、示談の成立したことを申し立てて、裁判所にその示談の内容を刑事事件の記録である公判調書に記載するという制度です。

この公判調書には、民事裁判を起こして裁判上の和解が成立したことと同じ効力が発生します。

それによって、被告人が示談した際の約束を守らずに被害弁償や慰謝料のお金を支払わない場合、被害者側は、この公判調書を利用すれば、改めて民事裁判を提起しなくても、強制執行することができるようになります。

2 示談と刑事和解との違い

先ほど述べたとおり、示談と刑事和解は、いずれも被害者側と被告人側との間で、刑事裁判の手続によらずに話し合い、被害弁償や慰謝料の支払金額等の内容をまとめるものである、という点では共通します。

もっとも、被告人側が示談で約束したとおりに被害弁償や慰謝料の支払いをしない場合、違いが明らかになってきます。

示談では、その後、改めて民事裁判を提起して確定判決のほか、和解など、判決と同等の効力があるものを受けなければ、強制執行をすることができません。

それに対して、刑事和解では、刑事裁判の公判調書に記録されていますので、その公判調書を利用すれば、改めて民事裁判を提起することがなく、強制執行をすることができることになります。

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