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「暴行・傷害」に関するお役立ち情報

傷害罪と暴行罪の違い

  • 文責:所長 大澤耕平
  • 最終更新日:2024年1月19日

1 傷害罪について

刑法204条は、傷害罪について規定しています。

人の身体を傷害した者について、10年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料に処せられます。

傷害とは、簡単に言うと人にけがを負わせることです。

また、刑法は、人に傷害を負わせる手段について限定していませんので、傷害を負わせることができる方法であれば、どんな方法でも問いません。

ですので、殴る、蹴る等の暴力をふるってけがをさせる場合だけでなく、

  • 〇 人を脅して怖がらせて精神障害を生じさせた場合
  • 〇 落とし穴まで誘導してその落とし穴に落として負傷させた場合
  • 〇 病人に栄養や薬を与えないで衰弱させた場合
  • 〇 被害者を錯覚させて毒薬を飲ませた場合

などであっても、傷害罪が成立する可能性があります。

2 暴行罪について

刑法208条は、暴行罪について規定しています。

暴行を加えた者が、人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または勾留もしくは科料に処せられます。

暴行罪での暴行とは、人の身体に対する直接または間接の有形力の行使を指します。

ですので、人の身体に対し殴る、蹴る等の暴力をふるう場合だけでなく、 相手方につばや食塩を吐きかけるような、傷害を負う危険がなさそうな行為であっても暴行罪が成立する可能性があります。

また、人の身体に直接加えられるものでなくても、傷害を負う危険を生じさせる行為であれば、暴行罪が成立する可能性があります。

例えば、人に向かって石を投げた場合、その石が人に当たらなかったとしても暴行罪になる可能性があります。

また、狭い部屋の中で、その部屋にいた人を脅かすために日本刀を振り回すような場合であっても、暴行罪が成立する可能性があります。

3 傷害罪と暴行罪の違い

傷害罪と暴行罪は、人に対して殴る、蹴るなど、人の身体に対する有形力の行使をすれば暴行罪になり、それによって傷害を負わせれば傷害罪が成立するという関係にはあります。

しかし、傷害罪は、暴行罪が成立する場合はもちろん、暴行罪が成立しない場合、つまり、人の身体に対する有形力の行使がなかった場合であっても、傷害を負わせる可能性のあるようなことをすれば成立する可能性がある、という点で、暴行罪との違いがあります。

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