痴漢で逮捕された場合は会社に知られますか？

痴漢行為を理由に逮捕された場合、逮捕した警察は、逮捕の事実等を勤務している会社に伝えるのでしょうか。

警察がどのように対応するかについては、ケースバイケースであり、一概にはいえないところですが、一つの考え方を示すとすると、警察は、捜査のために必要であれば会社に連絡し、捜査のために必要でなければ、基本的に、会社に連絡しない可能性が高いと思われます。

つまり、逃亡し、その行方を捜査するために勤務先へ連絡することは想定されますが、そのようなケースでない限り、痴漢の捜査のために会社に連絡する必要はないでしょうから、警察から会社に連絡が行く可能性は、通常は低いといえるかと思います。

痴漢で逮捕された事実が、マスコミによって実名報道されてしまった場合、会社に知られることとなってしまいます。

痴漢は殺人事件など他の様々な刑事事件と比較すると、重大な事件とまではいえないため、痴漢の発生件数に比べると、マスコミによって実名報道されることは比較的少ないと考えられます。

ただ、公務員、教師、医師、弁護士等の職業と並んで、大手企業の会社員であれば、マスコミによって実名報道される可能性が高くなります。

警察から会社に連絡されず、マスコミによって報道もされていない場合、痴漢で逮捕された事実はこのまま知られずに済むのでしょうか。

まず、逮捕されると、当然、逮捕当日には出社できないことになりますから、会社に無断欠勤したという形になるかと思います。

会社は、出社時間になっても出社しない被疑者を心配し、連絡を取ろうとしますが、逮捕されていれば、携帯電話等の電子機器は一切使えませんので、会社は被疑者に連絡を取ることができません。

会社は、被疑者の緊急連絡先として把握していれば親族に連絡するでしょうし、場合によっては、被疑者を心配して被疑者の自宅へ会社の社員が訪問することもあるでしょう。

このような会社内で騒ぎになっているというような状況になると、逮捕されたことを会社に正直に言わざるを得なくなる可能性があります。

上述のような状態にならなかった場合、例えば、痴漢で逮捕されそうになった時などに、被疑者から親や妻に連絡でき、会社を休むことになることを伝えてほしいという伝言ができれば、逮捕当日は、会社は被疑者の欠勤理由を病欠などと認識し、騒ぎは大きくならないかもしれません。

そして、会社にどう話すべきかは、弁護士に接見を依頼するなどして、弁護士、被疑者、家族で相談して決めていくことになるかと思います。